熊本県出身の素朴派の画家・塔本シスコ。
50代で油絵を始め、91歳で亡くなるまでの40年間に膨大な数の作品を描きました。
あふれでる夢や喜びを制作の原点としたシスコ・ワールドの全貌をご紹介する過去最大の回顧展です。
【塔本シスコ Tomoto Shisuko プロフィール】
塔本シスコは、1913(大正2)年、現在の熊本県八代市に生まれ宇城市で育ちます。養父の傳八は、自身のサンフランシスコ行きの夢を託し、長女である彼女をシスコと命名しました。1933年、20歳の時に塔本末藏と結婚し、ウサギやチャボなどを飼い、愛育しました。その後、一男一女を得て、子どもたちと一緒にスケッチをしたり、スズムシ、金魚などを飼う日々を過ごします。1959年に夫が急逝し、しばらくは体調不良のために静養の日々が続きました。1961年、48歳の時には脳溢血に倒れ、このリハビリテーションのために、石を彫りはじめ、1966年、53歳のある日から、大きなキャンバスに油絵を描き始めます。身のまわりの植物、愛育している金魚などをモティーフとして、絵画表現の既成概念にとらわれない、世界を創り始めます。1970年には、長男で画家の賢一と同居するために、大阪に移住しますが、制作はますます旺盛さを増します。シスコの絵画世界は、何ものにもとらわれない、彼女の胸中に宿る喜びや夢があふれ出てくるもので、時空を飛び越え、しばしば、子どもの頃の想い出もモティーフとなって現れ、身近な親族や、散歩でよく会う名もしらぬ人までが登場してきます。2001年には貧血で倒れたことをきっかけに、認知症を発症しますが、「私は死ぬまで絵ば描きましょうたい」と、亡くなる前年の2004年まで制作は続きました。生涯にわたって、少女のような純粋さを保ち、自身の喜びと夢を制作の源泉にしていた塔本シスコは、2005(平成17)年に91歳の人生をとじました。
=関連イベント=
◆第1部/オープニング・トーク
【日時】 4月9日(土) 14:00~15:00
【ゲスト】福迫弥麻(シスコの孫)、いしいしんじ(作家)
【定員】 先着50名 *要事前申込
【料金】 無料
◆第2部/シスコdeディスコ
いしいしんじさんがシスコと聴きたいベスト10を選曲し、蓄音機で演奏します。
【日時】 4月9日(土) 15:30~16:30
【定員】 先着50名 *要事前申込
【料金】 無料
*上記イベントは、当初2月5日(土)開催予定でしたが、延期されました。
【開館時間】10:00~20:00(入場は19:30まで)
【休館日】 火曜日
【観覧料】 一般1,100(900)円、シニア(65歳以上)900(700)円、学生(高校生以上)600(500)円、中学生以下無料
*( )内は前売り、20名以上の団体料金
*前売券販売は2月4日(金)まで
問合せ先:熊本市現代美術館 TEL 096-278-7500
ご参考・・熊本市現代美術館Webサイトへ
Googleマップ
*料金、時間、休館日等は、変更の場合があります。必ず確認の上、お出かけください。
*各地のお祭りには、現代に引き継がれている伝統的な神事や儀式として執り行われているものが数多くあります。現地の係員の指示に従って、マナーを守って見学してください。
*複写・転写を禁じます。