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イベントレポート!

九州国立博物館 特別展「三国志」

【開催期間】 開催中 ~ 2020年1月5日(日)
【会場】   九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)

【休館日】  月曜日
       *ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館し、
        10月15日(火)、11月5日(火)、12月23日(月)~31日(火)は休館
【開館時間】 9:30~17:00(入館は16:30まで)
       *毎週金・土曜日は20:00まで(入館は19:30まで)
【観覧料】  一般1,600円(1,400円)、高大生1,000円(800円)、小中生600円(400円)
       *( )内は前売り、夜間割引および団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
       *上記料金で九州国立博物館4階「文化交流展(平常展)」もご観覧いただけます。
       *障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。
       *満65歳以上の方は前売り一般料金でご購入いただけます。
       *夜間割引料金のチケットは、夜間開館当日17:00以降に館内券売所で販売。
        夜間割引料金で購入されたチケットで17:00以前に入場することはできません。

問合せ先:NTTハローダイヤル TEL 050-5542-8600(8:00~22:00、年中無休)
詳細は・・九州国立博物館Webサイトへ、特別展「三国志」公式Webサイト
 

関羽

会場入り口で観客を迎える「関羽像
明時代・15~16世紀 新郷市博物館蔵

1800年以上前、群雄割拠の時代が眼前に

今から1800年以上前、中国・後漢王朝の混迷に端を発し、華北で曹操(そうそう)が、長江上流域で劉備(りゅうび)が、南の長江中・下流域では孫権(そんけん)が政権を握り、魏(ぎ)・蜀(しょく)・呉(ご)の天下三分の形成が定まりました。
220年、魏の曹操(そうそう)が没し、息子の曹丕(そうひ)が後漢の献帝(けんてい)から皇位を奪うと、蜀の劉備と呉の孫権は、互いに正統性を主張し反発します。
その後、幾多の戦いを繰り広げ、最後に天下を統一したのは、魏でも蜀でも呉でもなく、西晋(せいしん)王朝でした。その280年までの間を「三国時代」といいます。
3世紀の終わり頃に成立したと考えられている歴史書、正史『三国志』は、曹操の誕生(155年)から叙述が始まり、これより西晋の天下統一までを「三国志の時代」といいます。
  

虎形棺座」 三国時代(呉)・3世紀
2006年 江蘇省南京市江寧区 上坊一号墓出土 南京市博物総館

曹操墓の出土品、海外初公開!

正史『三国志』と、14世紀の明時代に成立していたと考えられている小説『三国志演義』によって“伝説”となって普及した三国志の時代は、21世紀に入り発掘された曹操墓や呉の皇族墓と考えられる上坊一号墓などから重要な実物資料が発見されたことで、新たな三国志研究を構築する局面を迎えました。

本展覧会では、選りすぐりの文物と最新の研究成果を交え、まだ見ぬ三国志の「リアル」な世界に、皆さんをご案内します。

*「虎形棺座」は、棺を置くための台座で、前後二基で一つの棺を支えました。

ユーモラスで個性的な土製の俑(墓に埋葬された人形)から伝わる、「蜀」のおおらかな気風

厳かな「魏」、恵みの「蜀」、賑わいの「呉」

魏は漢王朝の中心地であった黄河流域に勢力を張り、蜀は自然の恵み豊かな長江(揚子江)上流の平原をおさえ、呉は長江中・下流の平野部と沿岸域に割拠しました。
会場では、それぞれの風土から育まれた独自の思想や習慣を一望していただけます。
 

銅鼓

蛙、騎馬人形、鳥の立体装飾を反時計回りにめぐらせた、一級文物銅鼓
三国(呉)~南北朝時代・3~6世紀 1964年、広西チワン族自治区藤県和平区古竹郷出土 広西民族博物館

各地で出土する文物には、魏、蜀、呉、三国それぞれの特色が表れています。

◆厳かな「魏」
 金印や青銅鏡、公孫氏滅亡後の史実を伝える石碑の残片(20世紀初頭に出土)、調理具や井戸をかたどった副葬品など

◆恵みの「蜀」
 舞踏家や芸人、犬などの俑(墓に埋葬された人形)、ため池の模型、製塩工程を描いた慕内の装飾図像など

◆賑わいの「呉」
 青磁器や日本でも出土する形の青銅鏡、化粧盤、色鮮やかなガラス製品など
 

 

『三国志演義』には、諸葛亮が10万本の矢の調達を見事に果たした逸話が登場

赤壁の戦いの逸話

小説『三国志演義』には、赤壁の戦い(208年)の際に、蜀の武将である諸葛亮(しょかつりょう)が3日間で“10万本の矢”を調達した逸話が登場します。
自軍の船をめがけて、魏の曹操軍に矢を放たせるという奇策を講じた諸葛亮。その逸話にちなんで、天井を数多くの矢が飛んでいる様子を再現した展示も楽しみの一つです。

復元した曹操墓

実寸で再現された曹操墓

実寸で再現された「曹操墓」

2008年~2009年にかけて発掘された墓が曹操高陵(曹操墓)である決め手となったのは、(曹操を指す)「魏武王」を含む刻銘を有する石牌が出土したことでした。
墓は長い年月のなかで盗掘にあっていましたが、970点を超える副葬品が発見されました。その際、頭蓋骨の一部も見つかり、調査の結果、曹操自身のものと推測されています。

曹操は自身の葬儀は簡素にするように遺言を残しました。そうはいっても、曹操墓の規模は三国志の時代で最大級。内部は現地でも非公開ですが、本展では実寸で再現されています。
稀代の英雄が眠る地下空間へ潜入した気分を味わってください。

後漢時代の墓に副葬されていた 一級文物五層穀倉楼
1973年、河南省焦作市山陽区馬作出土

展示の約8割が、日本初公開!

曹操墓や呉の皇族墓と考えられる上坊一号墓の出土品など、展示の約8割が日本初公開です。

*「五層穀倉楼」は、四階と五階建ての瓦葺建築で、一・二階が穀物倉庫。三階以上は望楼で、建物の中から外を眺める人物が、建物の外には番犬がいます。後漢時代の河南省焦作市は、このような高層楼閣の穀倉が建つほど豊かな土地であったことがわかります。

「晋平呉天下大平」磚 西晋時代・280年
1985年、江蘇省南京市江寧区 索墅磚瓦廠一号墓出土 南京市博物館蔵

三国時代の終焉

「晋平呉天下大平」磚(せん)は、西晋時代の墓に使われていた磚(煉瓦)で、「晋、呉を平らげ天下大平」と記されています。
つわものどもが激戦を繰り広げた三国時代の終結を、もっとも端的に伝えている考古資料といえます。

展示風景

横山光輝(1934-2004)の長編漫画『三国志』の原画

三国志の魅力は、脈々と次世代へ

三国志は、いまや絵本や児童書、小説、漫画、人形劇、ゲームによって若者にとって身近な存在となり、次世代へ伝えられています。
正史『三国志』と小説『三国志演義』に記された、この時代を生き抜く人間味あふれる物語は、現代においても老若男女を問わず人々の心を捉えて離さない魅力に満ちているのです。
 

一級文物酒樽」 後漢時代・2~3世紀 1969年、甘粛省武威市雷台墓出土 甘粛省博物館蔵

儀仗俑 後漢時代・2~3世紀 1969年、甘粛省武威市雷台墓出土 甘粛省博物館蔵

九博限定! 関連展示と関連イベント

【関連展示】
九博限定! 文化交流展で出会える「三国志」
「長崎の関帝信仰」と最古の三国志
関帝は、三国志の武将・関羽(?~219)が没後に神格化された存在です。江戸時代の長崎には中国から関帝祭祀が伝わり、盛んに行われました。本展は長崎における関帝信仰にスポットを当て、近世長崎における日中の文化交流史の一端を紹介します。
重要文化財「三国志呉志第十二残巻」
世界に現存する三国志で最古の写本を九州初公開。5世紀の中国・南北朝時代に書き写されたと考えられる貴重な三国志の一部をご覧いただけます。
【会期】 2019年11月12日(火)~12月22日(日)
【会場】 九州国立博物館4階文化交流展示室 第11室
*特別展「三国志」の半券でご観覧いただけます。

重要文化財「金銀錯嵌珠龍文鉄鏡」
曹操墓から出土した鉄製の鏡と大分県日田市ダンワラ古墳出土の鉄鏡の類似が一部の紙面で今年9月に報道され、大きな反響を呼んでいます。これを受けてダンワラ古墳出土の鉄鏡を緊急公開します。
【会期】 2019年11月6日(水)~2020年1月19日(日)
【会場】 九州国立博物館4階文化交流展示室 2室
*特別展「三国志」の半券でご観覧いただけます。
 

副葬品目を刻んだ石板「石牌」 右が曹操墓の決め手となった石牌。「魏武王常所用挌虎大戟」という刻銘が読み取れる。
後漢~三国時代(魏)・3世紀 2008~09年、河南省安陽市曹操高陵出土 河南省文物考古研究院蔵

多彩なグッズが並ぶショップ

【関連イベント】
特別展「三国志」記念特別講演会
今から約10年前に発見された曹操の墓、曹操高陵。その発掘現場の責任者が貴重な体験談を交えて、曹操高陵の全容と曹操の人物像に迫ります。さらに、曹操の子孫である魏の皇帝が卑弥呼に金印や銅鏡100面などを贈った史実を踏まえて、三国時代と弥生時代の鏡を比較しながら当時の中国大陸と九州とのつながりに光を当てます。三角縁神獣鏡や近ごろ話題の鉄鏡についても、専門家による最新の見解が聞けるかもしれません。
*11月2日(土)に開催を予定していた記念特別講演会は、諸般の事情により12月14日(土)に変更になりました。
【日時】 2019年12月14日(土) 13:30~16:20
【会場】 九州国立博物館1階 ミュージアムホール
【定員】 280名(当日受付、先着順)
【料金】 無料 *ただし、本展の観覧券もしくは半券の提示が必要。

講演会①「曹操高陵の考古学的発見と研究」
【時間】 13:30~15:05
【講師】 潘 偉斌(ハン イヒン)氏 (河南省文物考古研究院第一研究室副主任) *逐次通訳を行ないます。

講演会②「三国志の時代と卑弥呼の鏡」
【時間】 15:15~16:15
【講師】 辻田淳一郎氏 (九州大学大学院人文科学研究院准教授)

その他、関連イベント詳細は、九州国立博物館Webサイトでご確認ください。
 

*料金、時間、休館日等は、変更の場合があります。必ず確認の上、お出かけください。
*複写・転写を禁じます。

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