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ふくおかサポートねっとイベントレポート!

九州国立博物館 特別展「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」

【開催期間】 開催中~2019年3月24日(日)
【会場】   九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)

【休館日】  月曜日(ただし2月11日(月・祝)は開館。2月12日(火)は休館)
【開館時間】 9:30~17:00(入館は16:30まで) *毎週金・土曜日は20:00まで(入館は19:30まで)
【観覧料】  一般1,600円(1,400円)、高大生1,000円(800円)、小中生600円(400円)
       *( )内は前売り、夜間割引および団体料金(有料の方が20名以上の場合)。
       *上記料金で九州国立博物館4階「文化交流展(平常展)」もご観覧いただけます。
       *障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。
       *満65歳以上の方は前売り一般料金でご購入いただけます。
       *夜間割引料金のチケットは、夜間開館当日17:00以降に館内券売所で販売。
        夜間割引料金で購入されたチケットで17:00以前に入場することはできません。

 問合せ先:NTTハローダイヤル TEL 050-5542-8600(8:00~22:00、年中無休)
 詳細は・・公式Webサイトへ、九州国立博物館Webサイト
 ご参考・・醍醐寺Webサイトへ、福岡の美術館・博物館情報ページ

如意輪観音坐像

重要文化財 如意輪観音坐像 平安時代、10世紀

醍醐寺文書聖教函 第126函

醍醐寺文書聖教函 第126函 江戸時代、寛永元年(1624)

醍醐寺の千百年以上の歴史と美術をたどる展覧会

京都市の南東に位置する醍醐寺は、千百年以上の歴史を持つ真言密教の名刹です。

その歴史は、平安時代・貞観16年(874)、空海の直系の弟子である理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう、832~909)が醍醐味の水が湧き出るという笠取山に草庵を結んだことに始まります。その後、醍醐寺は加持祈祷や修法(すほう、儀式)などの実践を重視した寺として発展し、醍醐天皇をはじめ歴代天皇や将軍、公家たちの厚い帰依を受けました。

明治維新後の廃仏毀釈の波が押し寄せた際には、寺から紙一紙たりとも搬出することなく、寺宝を守り抜きました。そのような歴史から、醍醐寺には数多くの仏像や仏画、修法に用いる仏具、修法の記録や聖教などの経典類が伝わっています。

国宝に指定されている約7万点の『醍醐寺文書聖教』は558合の箱に整理され収納されています。16世紀末に第80代座主となった義演(ぎえん、1558~1626)は戦乱により荒廃した醍醐寺の復興とともに諸院に伝わる文書・聖教の整理や書写、箱の修理や新調を精力的に行いました。
当時、義演が新調した箱「醍醐寺文書聖教函 第126函」の蓋裏には、義演直筆の朱色の銘があり、箱の側面にある「大正七年」「昭和七年」などの貼紙などからは、醍醐寺の文書・聖教が江戸時代から現代まで整理を繰り返しながら、大切に保管されてきたことが伺えます。

平成28年(2016)、醍醐寺の長い歴史において初めて、中国の上海と西安で開かれた展覧会には80万人以上が来場しました。
今回の展覧会は中国での展覧会開催を記念して行うものです。
密教美術の宝庫ともいえる醍醐寺の寺宝約15万点の中から、薬師堂本尊である薬師如来および両脇侍像(国宝)をはじめ、国宝・重要文化財を多数含む、珠玉の仏教美術を一挙公開します。
 

絵因果経

国宝 絵因果経 奈良時代、8世紀 展示期間:全期間、ただし展示替えあり

三国祖師影

国宝 三国祖師影 鎌倉時代、14世紀 展示期間:1月29日~2月24日

扇面散図屏風

重要文化財 扇面散図屏風 俵屋宗達筆、江戸時代、17世紀 展示期間:1月29日~3月10日

国宝32件、重要文化財49件を含む、計104件を一挙公開!

約15万点もの寺宝の中から選りすぐりの名宝をご紹介します。

絵因果経」は、釈迦の生涯を説いた「過去現在因果経」に基づき、上段に経文、上段に絵を描き、全8巻で構成した絵入り経典のこと。醍醐寺に伝わるのは、第5巻にあたり、悉達太子(しったたいし、釈迦)がさまざまな苦行をし、悟りを開くまでをあらわしています。
彩色は、良質な顔料を用いて丁寧に塗られており、1200年以上前の奈良時代のものとは思えない鮮やかさを保っています。

三国祖師影」は、三国(インド、中国、日本)の高僧46人の肖像を集めた画巻。真言宗の僧が半分ほどを占めており、醍醐寺開山聖宝(左から2人目)や初代座主の観賢(かんげん、左端)も含まれています。

扇面散図屏風」は、俵屋宗達(生没年不詳)が手がけた11面の扇面画を、二曲一双の屏風に貼り付けた作品。宗達は京都の絵屋「俵屋」を営んでおり、扇面画で評判をよんだらしい。
 

>展示風景

桜の木の下で輝きを放つ「金天目および金天目台

金天目および金天目台

金天目および金天目台 安土桃山時代、16世紀

醍醐花見短冊

重要文化財 醍醐花見短冊 安土桃山時代、慶長3年(1598) 展示期間:全期間、ただし頁替えあり

「醍醐の花見」ゆかりの品々

秀吉最晩年の慶長3年(1598)3月15日に催された「醍醐の花見」には、秀吉の息子の秀頼、北政所、淀殿のほか、諸大名など約1,300人が参加しました。この日のために、畿内や吉野の桜700本が寺内に移植されただけでなく、一年前から傷んでいた五重塔の修理が、続いて仁王門の修理が始まるという、空前絶後の盛大な花見は、今も語り継がれる、桃山文化を象徴する出来事の一つです。
花見の5ヵ月後に亡くなった秀吉にとって、「醍醐の花見」は生涯最後の花見となりました。

金天目および金天目台」は、豊臣秀吉の愛用品で、16世紀末に第80代座主となった義演が秀吉の病気平癒のために加持祈祷を行った褒美として与えられたものと伝わっています。
焼き物のように見える椀は、実は木製で、二枚の金の薄板を貼り付け、まるで釉薬が流れたかのように見せています。「金の茶室」を営んだ秀吉の黄金趣味の一端をうかがうことができる貴重な遺品です。
「金天目および金天目台」は「醍醐の花見」で使用されたかどうかは分かりませんが、お花見気分でご覧いただけるように、会場は華やかに装飾されています。

醍醐花見短冊」は、そのときの参加者たちが詠んだ和歌を短冊に書き記し、台紙に張り込んだものです。
冒頭に秀吉の和歌、続いて息子の秀頼、前田利家と続き、その数は131葉に及んでいます。
 

展示風景

国宝 薬師如来および両脇侍像 の展示は大迫力

展示風景

国宝 五大尊像(左) 展示期間:1月29日~2月24日 と重要文化財 五大明王像(右)を見比べる絶好の機会

展示風景

重要文化財 五大明王像 平安時代、10世紀

神秘に満ちた大迫力の密教美術を体感!

最後の展示室には、醍醐寺の開山である聖宝に帰依した醍醐天皇(885~930)の御願により造像された薬師三尊像である国宝「薬師如来および両脇侍像(平安時代、10世紀)」の醍醐寺での安置状況が再現されています。

広い会場を振り返れば、国宝「五大尊像(鎌倉時代、12~13世紀)」と重要文化財「五大明王像(平安時代、10世紀)」が、対比できるように配置されており、彫刻と絵画を見比べられる絶好の機会です。

五大尊(五大明王に同じ)とは、不動明王を中心に東西南北を守る四明王を加えた五大明王のこと。あらゆる願いを叶えるとして平安時代以来、絶大な人気を誇った修法、五壇法の本尊です。

五大尊像は、掛け軸の上部が煤(すす)で黒ずんでおり、現代においても日々の加持祈祷や修法(儀式)で使用されている様子が伺えます。

五大明王像のうち大威徳明王は、像の乗る牛が立ち姿であることが珍しく、怒りの形相に対し、牛の可愛らしい表情もご覧いただけます。当初の五躯が揃う五大明王像としては、京都・東寺講堂像に次ぐ古い作例です。

これらのように会場には、密教寺院での神秘的で迫力ある雰囲気をそのままに、至宝の数々を味わっていただける工夫が各所に凝らされています。
 

足利尊氏自筆書状

国宝 足利尊氏自筆書状 南北朝時代、観応2年(1351) 展示期間:1月29日~2月24日

醍醐寺縁起

国宝 醍醐寺縁起 乗淳筆、江戸時代、17世紀

千年以上にわたる醍醐寺激動の歴史を概観!

創建時の醍醐天皇以来、歴代の権力者たちの帰依を受けた醍醐寺。その繁栄と為政者との関わりをご紹介します。

足利尊氏自筆書状」は、足利尊氏が賢俊(第65代座主)に宛て、丹波国篠村八幡宮の別当職を安堵した自筆の書状。京都府亀岡市にある同宮は、元弘3年(1333)4月、尊氏が後醍醐天皇の綸旨を受けて鎌倉幕府倒幕を決意し、挙兵した地として知られています。
自筆かつ私的な書状形式である点に、賢俊との近しさが見てとれます。

醍醐寺縁起」は、醍醐寺創建の由来や、開山聖宝と初代座主観賢の伝記などをまとめたもの。
聖宝が笠取山で老翁(横尾明神)と出会い、その地を寺地と定めたことや、老翁が山中の泉水を飲み、「醍醐味」と言葉を発したことが寺号の由来となったことなどが記されています。

金銅輪宝羯麿文戒体箱

重要文化財 金銅輪宝羯磨文戒体箱 鎌倉時代、13世紀 展示期間:1月29日~2月24日

生かされてこそ文化財

総本山醍醐寺の仲田順和・第百三世座主が、常々口にされている「生かされてこそ文化財」という言葉。
その心は
●文化財は人類の叡智の結晶である。
●文化財は時代を超えて、歴史文明を今日に伝える存在である。
●文化財は、人と人との心を通じ合わせる架け橋である。

この展覧会で、密教美術の頂点ともいえる名品の数々をご堪能いただき、この言葉をかみしめていただきたいと思います。
醍醐寺が、長い年月の中で「保存・管理・調査・修理・公開」に取り組んでくださったお陰で、今日、私たちがこれらの珠玉の仏教美術を目にすることができることに、敬意と感謝の念を抱かずにはいられないでしょう。
 

虚空蔵菩薩立像

国宝 虚空蔵菩薩立像 平安時代、9世紀
*作品は全て醍醐寺蔵

【関連イベント】

トークショー「ニッポンの力」
【日時】 2月16日(土) 13:00~13:40
【会場】 九州国立博物館1階 ミュージアムホール
【出演】
五郎丸歩(ラグビー選手/ヤマハ発動機ジュビロ所属)
BUTCH(ラジオDJ/FM福岡ラジオパーソナリティ)
森實久美子(九州国立博物館主任研究員/特別展担当)
【定員】 280名(先着順)
【料金】 無料(申込不要)
【サイン色紙プレゼント】
五郎丸歩氏のサイン色紙をプレゼントします。(先着50枚)
*トークショー終了後に行います。
*サイン色紙プレゼントは、参加券が必要です。
*参加券は当日10時から配付します。(ミュージアムホール前)
*参加券・サイン色紙は、お一人様につき1枚となります。

関連イベントに関する問合せ先:西日本新聞イベントサービス内「醍醐寺展」係 TEL 092-711-5491(平日9:30~17:30)
 

*料金、時間、休館日等は、変更の場合があります。必ず確認の上、お出かけください。
*複写・転写を禁じます。

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