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ふくおかサポートねっと イベントレポート!

九州国立博物館 日タイ修好130周年記念
特別展 「タイ~仏の国の輝き~」


【開催期間】 2017年4月11日(火)~6月4日(日)
【会場】   九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4-7-2)

【休館日】  毎週月曜日 ただし、5月1日(月)は開館
【開館時間】 9:30~17:00  *入館は16:30まで
       *4月28日(金)より、毎週金曜日と土曜日の開館時間を20:00まで延長いたします。(入館は19:30まで)
【観覧料】  一般1,600円(1,400円)、高大生1,000円(800円)、小中生600円(400円)
       *( )内は前売りおよび夜間割引料金、団体(有料の方が20名以上の場合)、満65歳以上の方、キャンパスメンバーズの方の料金
        (生年月日がわかるもの(健康保険証・運転免許証等)・学生証・教職員証等要提示)
       *障害者手帳等ご持参の方とその介護者1名は無料
       *上記料金で4階「文化交流展(平常展)」もご覧いただけます。

 問合せ先:NTTハローダイヤル TEL 050-5542-8600(8時~22時、年中無休)
 詳細は・・九州国立博物館Webサイトへ、公式Webサイト
 ご参考・・タイ国政府観光庁Webサイト

仏陀坐像

仏陀坐像 スコータイ時代 15世紀 サワンウォーラナーヨック国立博物館

山田長政像

山田長政像 江戸~明治時代 19世紀 静岡浅間神社
山田長政は、慶長15年(1610)頃にアユタヤーへ渡り、日本人町の頭領となりました。

世界初! 門外不出の仏教美術の名宝が日本にやってくる!

タイは、国民の95%が仏教を信仰する仏教国。
仏教は、ひとびとの日々の暮らしに寄り添い、長い歴史の中で多様な仏教文化が花開きました。
重厚で独特な趣を宿した古代彫刻群、やわらかな微笑みをたたえる優美な仏像たち、仏塔に納められた眩いばかりの黄金の品々、仏教の宇宙観にもとづき荘厳された仏堂の輝き。13世紀半ばから200年続いたスコータイ王朝の時代の仏像からは、面長で穏やかな顔立ち、繊細な指など、タイの美意識がご覧いただけます。

本展覧会では、タイ族の国が興る以前の5世紀頃までさかのぼり、古代の多様な信仰の世界を今に伝える仏像から20世紀初頭の美術品まで、その造形美術を通して、そこに生きている理想に迫ります。

また、琉球王国の外交文書を記録した史料には、1425年からのタイとの交易に関する記述が残されており、琉球を介した日本との交流は600年もの歴史があることが分かっています。朱印船貿易によってタイには日本人町が形成され、往時には1,000人~1,500人の日本人が住むほど盛んだった日本とタイとの文化交流の歴史についてもたどります。

日タイ修好130周年の節目に、両国が総力を結集して開催する展覧会です。タイ王国門外不出の名宝と、選りすぐりの仏教美術の数々を一堂に集め、仏教がタイの文化形成に果たした役割をひもといていきます。
どうぞお見逃しなく!

(総出陳件数141件、うち100件がタイ王国からの出品)

法輪

法輪と法輪柱 ドヴァーラヴァティー時代 7世紀 ウートーン国立博物館

古代から仏教を篤く信仰

遠い昔、タイ族の国が興る以前、タイのチャオプラヤー川流域を中心に栄えたドヴァーラヴァティー国。この国ほど法輪を数多く建立し仏教を信仰した国は他にありません。
(ご参考・・年表は、九州国立博物館Webサイトへ)

法輪とは、車輪が転がるように仏陀の教えが広まることを意味し、仏法を象徴するものです。
法輪は仏教が伝わった国には必ず見られる造形で、タイ中部のドヴァーラヴァティーの遺跡からも石造法輪が多数出土しています。中でも1962年に出土した法輪は、車輪、八角形の柱身、柱と法輪をつなぐための頂板が一緒に発見された現在唯一の例です。
これらの法輪には、インドや他の地域の法輪とは異なる特徴が見られます。それは、全面に幾何学文様や植物文様が彫刻されていることです。一部にヒンドゥー教の神像が表されることもあります。
展示されている法輪にも、車輪には花弁や葉文様、火焔型の縁飾り、頂板には幾何学文様、柱身には花房と鳥が彫られています。

ナーガ上の仏陀坐像

ナーガ上の仏陀坐像 シュリーヴィジャヤ様式 12世紀末~13世紀 バンコク国立博物館

ハンサムな仏陀

「ナーガ上の仏陀坐像」のナーガとは蛇と関係する神のことで、仏陀がとぐろの上に座り、背面には7頭のナーガが鎌首をもたげています。
悟りを得た仏陀が瞑想する間、龍王ムチリンダが傘となり、仏陀を雨風から守ったという説話に基づいて作られた仏像です。このテーマの像は、東南アジアで大変好まれ、シュリーヴィジャヤ国の重要都市のひとつ、チャイヤーの寺院に安置されていました。
精緻な造形美からは、12世紀後半頃のクメール美術の特色がうかがえ、当時の仏教文化の華やぎを今に伝えています。

また、台座に記された銘文は、古クメール語で「サカ暦1104年 兎年」にマラユ国の王の命により「グラヒ国を治める太政大臣カラーナイに造らせた」仏像であること、大量のブロンズと金を要したことが記されています。(サカ暦1104年には西暦1183年説や1291年説、また14世紀初めの兎年との見解など諸説あります。)

仏陀の端正な顔立ち、背面までもすべてが精緻に造られた美しさを、ぜひ会場でご覧ください。

仏陀遊行像・仏足跡

仏陀遊行像・仏足跡 ラーンナータイ様式 1481年 バンコク国立博物館

仏足跡と釈迦の遊行像を組み合わせたユニークな仏像

スコータイは、1238年にタイ族がひらいた最初の王朝です。多くの寺院が建立され、仏教文化が花開き、仏足跡信仰が盛んになりました。
この像は、仏足跡と釈迦の遊行像を組み合わせたユニークな仏像です。
長い台座の上面に、大きさの異なる釈迦よりも前の過去三仏の仏足跡が表され、釈迦は両腕を下げて歩みを進めています。遊行像は、釈迦が説法に歩く姿を表しているといわれています。この時代の遊行像で、このように両腕を下げている姿をしているのは珍しいものです。

台座の側面には、「チュラサカラ時代の843年(西暦1481年)に、ジャオ・ウィチャン・パンギョウがこの像を作った。弥勒は私が仏になると予言した」と記されています。

この像は、タイ北部のチエンセーン遺跡で出土しており、15世紀の仏足跡信仰の広がりをうかがわせます。

神器ミニチュア

団扇・払子・杖(神器ミニチュア) アユタヤー時代 15世紀初 チャオサームプラヤー国立博物館

王権の象徴「五種の神器」

アユタヤーは1351年に建国され、その後400年もの長きにわたり国際交易都市として繁栄しました。国王が建立したワット・ラーチャブーラナの仏塔の地下空間「クル」からは、1958年に当時の栄華が偲ばれる約1万点もの黄金製品が発見されました。

本展覧会では、金板に象嵌技法を駆使した金冠や金象、金靴などが展示されています。
王権の象徴としての五種の神器にはいくつかの種類があり、冠や剣、白象、傘、靴、払子のほか、団扇、杖も神器として扱われています。
左の神器ミニチュアは、奉納用に作られたもので、それぞれ2種類の団扇と払子、先端が二股に分かれた柄の短い杖の5本セットです。ミニチュアとはいえ、どれも非常に精巧に作られています。

カティナ(功徳衣)法要図

末吉船図衝立 江戸時代 安政5年(1858) 大阪・杭全神社 展示期間:4月11日~5月7日

盛んだった日タイの朱印船貿易

大阪の豪商、末吉氏が大阪・杭全神社に奉納した衝立には、末吉孫左衛門吉康(1569~1617)がシャムへ派遣した朱印船(末吉船)が帰国する様子が描かれています。
(シャムとは江戸時代から知られていたタイの呼称。シャム、つまり当時のアユタヤーは国際交易都市として栄えており、さらに100年以上前から既に日本とシャムとの交易は始まっていました。)

マストには「末吉」や「順風」と描かれた旗がたなびき、船倉には織物の巻物や輸入品が入った箱が積まれており、酒を飲んだり囲碁に興じる祝いの様子が見てとれます。中央の大きな椅子に腰掛けているのが末吉吉康であろうと考えられます。

慶長9年から寛永12年(1604-1635)までの32年間に、朱印船が派遣された数は356隻。このうち、末吉孫左衛門は京都の角倉素庵に次いで多くの朱印船を派遣した商人として知られ、その船はシャムで作られたとの言い伝えがあります。

カティナ(功徳衣)法要図

カティナ(功徳衣)法要図 ラタナコーシン時代 1918年 タイ国立図書館 展示期間:4月11日~5月7日

王の義勇兵として活躍した日本人

「カティナ(功徳衣)法要図」は、アユタヤーの国王が僧院へ功徳衣(=カティナ衣)を献上に向かう様子を描いた図。薙刀を手にした剃髪の一群が日本人義勇兵です。
当時のタイ在留の日本人は、商人として交易に関わっていただけではなく、王の義勇兵として力を持っていたことが「アユタヤー王朝年代記」に記されています。
この写本の原図は、アユタヤー時代の僧院ワット・ヨム(1681年創建)の壁画です。この作品は、1918年、ラーマ5世王の異母弟ダムロン親王の命によって、第1写本(1897年模写)を写し取らせた第2写本です。

ラーマ2世王作の大扉

ラーマ2世王作の大扉 ラタナコーシン時代 19世紀 バンコク国立博物館

ラーマ2世王作の大扉

ラタナコーシンとは現在のバンコク王朝の別名であり、「インドラ神の宝蔵」を意味しています。
現王朝は、ビルマ軍との戦いで灰燼に帰したアユタヤーの都を復元するように、新しい都を築きました。また、芸術文化の復興にも注力しました。
特に、国王ラーマ2世(在位1809~1824)は自身が詩人であり彫刻をよくする芸術家であったため、この時代にさまざまな芸術が花開き、仏教とも結びついた名作が生み出されました。

5.6メートルを超えるこの大きな扉は、1807年に創建されたワット・スタットという第一級王室寺院の正面を飾っていたものです。
国王ラーマ2世自ら精緻な彫刻をほどこしており、王室とともに育まれたタイ文化を象徴する至宝といえます。
チーク材の扉の表側には、天界の雪山に住むとされる“人の顔に鳥の体”を持った瑞獣や、牡丹や蓮、ザクロといった植物の合間に、蜘蛛やムカデ、蝶、兎やリス、猿や鳥、猪、鹿、熊、虎などさまざまな動物たちが表わされています。
裏側には寺院を守る武装した鬼神たちの姿が描かれています。

この扉の完成後、ラーマ2世は他に同じような扉を作らせないように、使用した道具をすべてチャオプラヤー川に捨てさせた、という逸話が残っています。

1959年、線香の火から火災が発生し、特に左扉は大きな焼損を受けました。その後処置を施せない状態でしたが、2013年から住友財団の支援の下、九州国立博物館も協力し、保存修理作業を進めてきました。

本展覧会では、一部が焼けているものの比較的保存状態が良かった右扉が展示されます。一本の木から重層的に彫り込まれ、その深さは14センチにもおよぶ大扉。その精巧な作りを、じっくりとご覧ください。

曜日ごとの仏像

タイでは、生まれた曜日を大切にしています。日本人のほとんどが血液型を知っているように、タイ人は自分が何曜日に生まれたかを知っています。曜日によって仏様のポーズやラッキカラーが決まっており、寺院では自分の誕生曜日の仏様に手を合わせます。
会場では、自分の誕生曜日を調べることができますよ。

【関連イベント】

リレー講座 「見たい 行きたい よかタイ!」
【会場】 九州国立博物館1階 ミュージアムホール
【定員】 先着280名(事前申込不要、当日受付)
【料金】 無料 *本展観覧券もしくは半券の提示が必要

<第1回>
【日時】 5月6日(土) 14:00~15:30
【講師】「山田長政 アユタヤーの日本人」
     望月規史(九州国立博物館研究員)
    「タイのごちそう決定版!- ラーマ2世王の饗宴詩 - 」
     山田均氏(公立大学法人名桜大学教授)
<第2回>
【日時】 5月13日(土) 14:00~15:30
【講師】「仏陀の足跡を求めて」
     小泉惠英(九州国立博物館学芸部長)
    「輝ける仏の国 タイ」
     原田あゆみ(九州国立博物館特別展室長)

*料金、時間、休館日等は、変更の場合があります。必ず確認の上、お出かけください。
*複写・転写を禁じます。

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